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石上七鞘

性別:男性  

生年月日:1947/1/17

博士(文学) 専門分野、民俗学・古代日本文学/執筆家/講演家

松蔭大学教育開発センター長、コミュニケーション文化学部長、日本文化コミュニケーション学科主任・教授として教鞭をとる傍ら、日本古来の伝統文化や土地に纏わる暮らしぶりを、研究・伝承・継承していく事を自身のライフワークとしている。
平成19年8月 日本テレビ“世界一受けたい授業”に講師として出演する他、平成21年スカイパーフェクトTV「暮らしの知恵を科学する~木火土金水、陰陽5行を中心に日本人の生活の知恵と工夫を探る」番組等にも出演。世界遺産検定公式テキスト:日本の伝統文化遺産を監修。著書『日本の原点』『日本の民俗伝承』『化粧の民俗』『十二支の民俗伝承』他を執筆。高崎正秀博士記念賞受賞
上代文学会理事
NPO法人現代女性文化研究所理事
公益財団法人ミツノ教育振興財団理事
民俗学研究所所長
上代文学研究所所長
一般社団法人和ハーブ協会(JHF:Japan Herb Federation)顧問
教育と文化を振興する「教育文化研究会」代表

最新記事

[2012-05-09 17:58:51]

立夏(りっか、5月5日)
立夏(りっか、5月5日) 立夏は夏が始まる日です。この時期は大地が草で覆われ木々が繁ってきます。 カレンダーには「夏が立つ」などと記載されている場合もあります。これは、「夏がきたよ」という意味です。

立夏の頃はちょうどGW〔ゴールデンウィーク〕頃で気持ちの良い風が吹き、晴天が続くので外に出ることが楽しみな時期でもあります今年は5月5日。田植えの季節到来。立夏は春分と夏至の中間で、立夏から立秋の前日までが 暦の上で夏となります。蛙が冬眠から覚めるのは啓蟄の頃、にぎやかに鳴き出すのはこの時季からです。旧暦5月は田植えの月でした。新暦では約1ヶ月遅れになりますので、昔は6月が田植えの最盛期だったということになります。現代では一般に、立夏を過ぎた頃から田植えが始まります。実際には、早い所で3月上旬(沖縄県)、遅い所で6月中旬(九州)とかなり差があります。米どころと言われる東北では、5月上旬から中旬が田植えの最盛期です。

田植(え)歌は民謡の一つで、田植えをしながらうたう仕事歌で、もと田の神をたたえて豊作を祈願するためのもの。上代から行われ、田舞・田歌などにも取り入れられています。
写真は広島県壬生の花田植え。

投稿者:石上七鞘 |テーマ:ブラッシュアップ | Comment:0件

[2012-05-09 17:54:08]

八十八夜(はちじゅうはちや)
八十八夜(はちじゅうはちや) 八十八夜は、今年は5月1日です。雑節のひとつで、立春を起算日として88日目です。八十八夜の3日ほどで立夏になりますが、「八十八夜の別れ霜」「八十八夜の泣き霜」などといわれるように、遅霜が発生する時期です。霜は十八夜ごろまでといわれていますが、「九十九夜の泣き霜」という言葉もあり、5月半ばごろまで遅霜の被害が発生する地方もあるようです。そのため、農家に対して特に注意を喚起するためにこの雑節が作られました。

そこで思い出すのは『茶摘み』(ちゃつみ)は唱歌です。これは文部省唱歌で、1912年(明治45年)に刊行された『尋常小学唱歌 第三学年用』に登場し、作詞作曲ともに不詳です。オリジナルの曲名は『茶摘』でした。歌詞 は、

1.夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
「あれに見えるは茶摘みぢやないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠」

2.日和(ひより)つづきの今日このごろを
心のどかに摘みつつ歌ふ
「摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにゃ日本(にほん)の茶にならぬ」

初夏に見られる茶摘みの光景を歌った歌です。 この歌は、子供が2人組で向かい合って行う、「せっせっせーのよいよいよい」で始まる手遊び歌としても歌われました。この手遊びでの繰り返しの動作は、茶葉を摘む手つきを真似たものとも言われています。
「あかねだすき」とは、茜の根で染めた赤いたすきのことで、茜とはアカネ科の蔓性(つるせい)の多年草。根は染料や薬用になります。また「菅」とは、カヤツリグサ科スゲ属の多年草の総称。至る所に生え、カサスゲ・マスクサ・コウボウムギ・カンスゲなど日本には約200種があり、葉を刈って、笠・蓑(みの)・縄などの材料とします。あかね襷(たすき)は花田植えの襷と同じくハレの祭りの印であり、菅笠も神祭りの印とともに神さまの憑代(よりしろ)でもありました。

投稿者:石上七鞘 |テーマ:ブラッシュアップ | Comment:0件

[2012-04-23 14:02:19]

穀雨(こくう)
穀雨(こくう) 今年は4月20日です。二十四節気の一つ。旧暦三月(弥生)の中気。春のやわらかく、温かい雨が降って、穀類の芽が伸びて来る頃を指します。穀物が生長するため、私たちが生きるために必要な恵みの雨を頂く時期です。この時期に雨が降らずに日照りが続くと雨乞いを行います。
雨乞いには次のような種類があります。

(1)山野で火を焚く。鉦や太鼓を鳴らして大騒ぎする形態の雨乞いは、日本各地に広く見られます。

(2)神仏に芸能を奉納して懇請する。

(3)禁忌(タブー)を犯す、例えば、通常は水神が住むとして清浄を保つべき湖沼などに、動物の内臓や遺骸を投げ込み、水を汚すことで水神を怒らせて雨を降らせようとするもの。また、石の地蔵を縛り上げ、あるいは水を掛けて雨を降らせるよう強請するものなどがあります。

(4)神社に参籠する。これは、山伏や修験道の行者などの専門職の者が行います。

(5)類感(模倣)呪術を行う。霊験あらたかな神水を振り撒いて雨を模倣し、あるいは火を焚いて煙で雲を表し、太鼓を叩いて雷鳴を呼び降雨を真似ることで、実際の雨を誘おうとする呪術で
す。

【写真】は綾南町滝宮念仏踊り(雨乞い踊り)です。

投稿者:石上七鞘 |テーマ:ブラッシュアップ | Comment:0件

[2012-04-09 09:59:19]

花祭り(4月8日)
花祭り(4月8日) 「灌仏会」(かんぶつえ)「誕生会」「龍華会」「釈尊降誕会」「浴仏会」ともいわれます。釈迦眸尼生誕の法会で、花で飾った御堂に安置された釈尊像に甘茶を注いでまつります。釈迦が誕生されたとき、天から龍が現れて甘露を注いだといういわれに因むものです。西日本では、神(太陽神)を迎えるために、天道花(高花・八日花)といって竹竿の先に花を結び、高く掲げる魂祭りの風習があります。この日に春の例祭をあてる神社も多く、また春の山の神の降りられる日として山の神をまつる地方もあります。この日は月の上弦の日であり、実際の農作業に着手する時期でもあったことから、農民にとっては重要な祭日でした。祖霊祭の中心が正月と盆に移行したのは太陰暦渡来後のことで、それ以前に卯月正月の時代が長かったのかもしれません。

 卯月は4月の古名ですが、ユキノシタ科の落葉低木です。卯木の花の略または卯木の一名で、高さは約1.5メートル、山や野に野生しています。畑の境界線や庭の垣根として植えられています。名前は、この木から木釘を作っているので「打木」、幹が中空なので「空木」といわれることに由来しています。卯月(陰暦4月)に咲くため卯の花ともいわれます。5?6月頃、白い花が集まって咲き夏を迎える時節に白が映えて清々しい感覚を誘います。

 古くから卯月の花は呪法に、木は土地の邪悪な霊を追い払う卯杖(卯槌)として用いられ、初夏には卯杖で地面を叩いて,農の神を起こして豊作を祈願する行事を行っていました。

投稿者:石上七鞘 |テーマ:ブラッシュアップ | Comment:0件

[2012-04-06 19:44:33]

花見の伝統
花見の伝統 いよいよ全国的に桜が満開となってきました。かつて人々は、花見をして秋の豊作を祈ったのです。
ケツメイシの「桜」の歌詞に

さくら舞い散る中に忘れた記憶と君の声が戻ってくる

とうたわれといます。また、我が国最古の歌集「万葉集」巻一に、持統天皇が吉野の宮に行幸された時に、柿本朝臣人麿の作った歌に、

 やすみしし わが大王(おほきみ)の 聞し食(め)す 天の下に 国はしも 多(さわ)にあれども 山川の 清き河内と 御心(みこころ)を 吉野の国の 花散らふ 秋津の野辺に 宮柱 太敷きませば 百磯城(ももしき)の 大宮人は 船(ふな)並(な)めて 朝川渡り 舟競(きそ)ひ 夕川渡る この川の 絶ゆることなく この山の いや高らしらす 水激(たぎ)つ 滝の都は 見れど飽かぬかも

現代語訳 地上の隅々までを統治なされる我が天皇が治めている国々は沢山あるが、山や川の清らかな河の内と御心をお寄せになる吉野の国の、桜の花が散る秋津の野辺に、宮殿を立派にお建てになり、多くの岩を積み上げて作る大宮仕える人々は、船を並べて朝に川を渡り、舟を競って、夕べに川を渡る。この川の流れが絶えることないように、この山の峰が高いように高く立派にお治めになり、この水の流れの激しいほとりの滝のは、何度見ても見飽きることはありません。

とあります。桜の花が散ることは寂しいこと、惜しまれることでもありましたが、人々は秋の実り祈っていました。さらに、「万葉集」の巻二十の最後の歌に、大伴家持は、

新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事(よごと)


現代語訳 新年の始めの初春に 今日降りしきる雪のように天皇を言祝ぐめでたい吉事がつぎつぎと重なりますように。
雪の降る正月はまことにめでたいと歌っています。桜の花が散ることは、正月に雪が降ることと連想を同じくしていました。桜井満先生は、枕詞の発生と農耕儀礼との関連を考えるにあたって、上記の人麻呂吉野讃歌にみられる「花散らふ 秋津の野辺」(36)、また同じく人麻呂の阿騎野の猟に供奉した折の作にみられる「み雪降る 阿騎の大野」(45)という、いずれも実景とするには問題の残されている用例をとり上げ、考察を試み、花(特に桜の花)が稲の花の象徴、御穀の兆であること、また雪も豊年の貢といわれ、五穀の精といわれるように、稲の花の象徴とみられたことを指摘し、この両例が共に呪農用語から出た予祝讃美の枕詞であることを解明されたのです(「枕言葉と農呪」より)。

日本の花見の伝統を末永く守って、豊かな実りのあることを祈りましょう。

投稿者:石上七鞘 |テーマ:ブラッシュアップ | Comment:0件

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